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身元保証人がいない時の、老人ホームへの入所手続。


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介護付有料老人ホームに入所する際は、身元保証人身元引受人)が求められることになります。


「発生した損害の補償」と「身柄の引受」という多少のニュアンスの違いはありますが、一般に介護施設の入所契約では「身元引受人」と「身元保証人」は同じ意味で使われていると考えて、まず問題ありません。

ちなみに有料老人ホームの入居者のおよそ半数は、子供が身元引受人になっているのが現状です。

身元引受人の基本的な役割は、入所する老人ホーム関連で発生した金銭的負担を本人が精算できなくなったとき、代わって支払うことが主となります。

利用料の支払いを年金の振込口座からの自動引落にしておけば、本人が生きている限りは問題ありません。

しかし本人が認知症になるなどして月額利用料が払えなくなった場合は、身元引受人が代わって払うことになります。


また本人が入居中に施設の器物を壊したりした時は、損害の補償を求められる可能性もあります。

最近では万一の際の補償能力を担保する狙いからか、「2名以上の身元引受人」を求めたり「年金生活者は身元引受人として認めない」施設も散見されます。


要介護度が悪化し老人ホームの住み替えのために退去する時は、本人の私物を引き取ったり、本人が在所中にホームで亡くなったときは身柄の引き取りも行います。

葬式やお墓の手配も身元引受人が行うのが原則ですが、入居先の老人ホームでお別れ会・偲ぶ会をしてくれたり、共同墓地に納骨してくれることもあります。

老人ホーム入所中に本人が万一そのまま亡くられた場合、ホームとして通常どのような対応をしているのかは、あらかじめ聞いておくほうがよいでしょう。

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最近は高齢者のひとり暮らし世帯の増加もあり、介護付き有料老人ホームに入りたくても身元保証人がいないために苦慮するケースが増加しています。

子供がいても居所が離れているために親子関係が疎遠だったり、あるいは配偶者も高齢であるために、老人ホーム側の審査で断られることもあります。

老人ホームによっては、身元保証人がいなくても、成年後見制度にもとづく成年後見人がいる場合は入所が認められることもあります。

成年後見制度の概要と手続き、そして注意点。


(ちなみに成年後見人自身は本人を代理している立場のため、原則として身元保証人になることはできません。)

その場合、一定の保証金をホームに払うことも多いので、あらかじめ確認しておく必要があります。


身元保証人がいない場合、民間のNPO・財団法人などが行う身元保証サービスの活用も選択肢になりますが、まとまった金銭を預けるほど当該団体が信頼できるか、という不安が残ります。

現在、一定の保証金や入会費を条件に老人ホーム入居時の身元保証を引き受ける「身元保証代行サービス」団体が、全国で100社以上もあります。

しかしこの手の身元保証ビジネスは資格不要で行うことができるため、事前によく調べてから契約しないと、その事業体が万一倒産した場合は支払った(預けた)金銭が戻ってくるか否かに加え、再び身元保証人を立てなくてはならず、生活の基盤そのものが危険にさらされることになります。


2016年3月に高齢者向けの身元保証事業を全国展開していた公益財団法人の破綻も起きており、「財団法人・社団法人だから」「広告をよく見かける大手企業だから」安心というわけではありません

時間をかけて複数の事業者を調べることはもちろん、万一の際の緊急避難策まで視野に入れた決断が必要です。

まずは地域包括支援センター市町村の高齢福祉課、あるいは社会福祉協議会高齢者総合相談センター( シルバー110番)など、各地に置かれた公的機関の窓口への相談から始めてみましょう。


社会福祉協議会では、認知症や知的障害のある人の福祉サービスに関わる利用手続を生活支援員がサポートする「日常生活自立支援事業」を行なっています。

日常生活自立支援事業パンフレット(全国社会福祉協議会)

また一部の社会福祉法人やNPOなどにおいては、法人組織が後見人になる「法人後見」も行なわれています。


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