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「過剰介護」気味の介護付有料老人ホームに、要注意。

スタッフの人員不足によって人員配置基準ぎりぎりであったり、熟練者の退職などによって介護サービスの質そのものが低い介護付 有料老人ホームが数多くある一方で、「入居者の自立支援」という視点を欠き、経営面から介護報酬の増加に関心を向けての「過剰介護」を意図的に行っているホームもまた、存在します。


入居者の要介護度があがることによって、介護付 有料老人ホーム側で得られる介護報酬も増加します。

たとえば、入居者の要介護度が3から5に上がった場合、一人当たりの介護報酬のアップ額は、およそ月四万円程度になるそうです。


したがって、入居者の自立をサポートするという観点よりも、むしろ介護報酬の増加という経営面に執着するホームの場合、たとえ意図的かそうでないかが外から見て判然としなくても、結果的に入居者に過剰な介護を施すことによって、入居者の体力を弱め要介護度をあげてしまう危険性があります。


要介護度があがると、ホーム側としても提供するサービスの負担が増し、かえって大変になるのでは…?と思われるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。

要介護度の軽い入居者を部分的に介護するよりも、要介護度の重い入居者の介助を熟練したヘルパーがまとめてやるほうが、時間的にも効率的にも早かったりすることが、往々にしてあるのです。


入居者がせっかく一人で散歩ができる状態なのに、毎日のように「危険防止」のためと口うるさく注意し、いつも車椅子を強く進め、なおかつ職員に付き添わせたりしていては、筋力の衰えも進み、そのうちに本当に介助なしでは、動き回ることもできなくなってしまうかもしれません。

また、「事故防止」の名目で、ホーム側の管理責任を問われたくないために、個室に外から鍵をかけたり、門限を厳しくしたりして、入居者をいつの間にか閉じ込めるような状態になっている施設では、入居者の表情も、どこか生気が失われがちなものです。


このような「過剰介護」をする介護付 有料老人ホームであるかどうかをチェックするための決定打は、なかなかありませんが、個別の情報を積み重ねて、最終的に精度の高い判断をすることは可能でしょう。

まず、その施設の入居者の、ここ数年の介護度の推移の傾向を、施設見学時にたずねてみることです。

入居者の多くにおいて、要介護度の悪化傾向が比較的短期間に確認できるような場合、これは注意してかかるべきです。

加えて、入居者の介護と自立支援について、その施設の経営者(施設長)や介護の現場責任者が、いったいどのような理念をもって取り組んでいるか、直接話をしてみる必要があります。

具体的にどういった取り組みを行っているかなどについても、確認してみるとよいでしょう。

抽象的なことばかり言っていたり、話をすぐそらそうとしたり、具体的な取り組みの事例をほとんど示せないようでは、これも警戒してかかる必要があるでしょう。


最後に、入居者の表情がどの程度のびのびしているか、施設見学の折には、つぶさに観察してみることも大切です。

経営方針として「入居者の自立支援」を重んじることが徹底している施設では、入居者の表情にもどこかしら、のびやかな雰囲気がうかがえるものです。



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